秋、そろそろなにかの祭に行きたい季節だなと思い始めた頃、東京でデカい祭が開催されることを知った。酉の市である。名前からして良い。商売をする人たちが、来年の商売繁盛を願う熊手を新調するための祭らしい。酉の市は本番と前夜祭の2日間開催されたので、本番当日に行くことにした。
一の酉当日は金曜だったということもあり、21時すぎに仕事を切り上げ新宿の花園神社へ向かう。祭自体は深夜2時頃まで行われるので、22時前に着いた頃には仕事終わりの人たちで賑わっていた。歩道にはいくつかの出店が並び、境内に入る前から水商売らしき人たちが行き交っている。浅草でも開催されており、どちらも異なる様子であるらしい。今回は酉の市名物「見世物小屋」を目的にしたため、新宿を選択した。
先に着いていた友人らとなんとか合流し、とりあえず腹ごしらえを、とたこ焼きを買う。人に流されつつ鳥居をくぐると、奥へと進むにつれポツポツと露店の灯りが怪しく増え始めた。狭い路地裏のような地形に、ギラギラと輝く華やかな熊手がひしめきあう。あまりの多さに圧倒され、語彙が後退、やべ〜よ〜!しか言えなかった。こういうのに弱いんだよな。
奥まで進んでいくと目当ての「見世物小屋」を発見。普通にやばそうで尻込みする。見てって見てってと客寄せする受付を見て、ここは本当に令和か?と思いつつ入場列の最後尾につく。聞いた話だと「狂ったOL」や「ヤモリ女」といった演目を楽しみにしていたのだけど今回見れたメインは「火を吹く女」だった。日によって演目が違うらしく、来年は前者の2つも見れるといいな。中は撮影禁止、どんな演目だったのかはグロかったりするので、気になる人はぜひ調べてほしい。
毎年11月に一の酉、二の酉が行われ、年によっては三の酉まである。今年は二の酉までで、一の酉が11月8日の金曜、二の酉が11月20日の水曜に開催された。三の酉がある年はその1年、火事が多いという俗説があるが実際には祭を口実に吉原へ行く旦那へ、女房たちが言ったのがはじまりともされる。よく店の一角にかけてある熊手は、はじめは小さく年を追うにつれ次の年はもっと繁盛出来ますようにと願いを込めて、少しずつ大きなものに買い替えていく。弊社にも、部屋の一角にマルチーズくらいの大きさの熊手が飾ってあり二の酉の夕方頃、仕事を中断して近くの神社まで足を運び、新たな熊手に買い換えた。

今回新宿の方に行ったのもあり、祭のあとはゴールデン街で一杯ずつ飲んで終電前に帰路についた。
来年は浅草の方にも行こう。